僕には目指している到達点がある。

仕事の上での話だ。


それは『うわ~すっげ~うまくない?』というものでは決してなく、
むしろ、言葉が出ないような広告。
観たあとに
じっと考え込んでしまうような広告。



そういう広告をつくりたい。



例えばビールのCMだとしよう。



俺は
『ぷはーっ!!うまいっ!!』
とかってヤツはもう見飽きたし、どうでもよい。

それより
『どんなときにビールを飲みたいか?』という
シチュエーションを描いているものがよい。

そして、切ないくらいのものがなおよい。
人間を描いている作品だ。




『ぷはーっ!!うまいっ!!』というシズルを出すことは誰にでも出来る。

だが、『ああ。なんとなくこういう雰囲気わかるなあ。切ないなあ。あれ?ああ
。これビールのCMだったのか。なるほど。。。』といったものは誰にでも創れるわけではないし、
クライアント側としてもそういうものを採用するのはかなりの冒険であろう。


だが、えてしてそういうキャンペーンこそが心に残るし
ブランド力の構築に一役買っている。


なぜならば、広告とは、人ともの、あるいは、人と人をつなぐコミュニケーション、もっといえば恋文みたいなものでありうからだ。




だから、人間を描き、血肉の通ったものでないといけない。と、最近思うよ。


人間は単純なようでいて、けっこう複雑なもんだ。

だから、これ伝わるかなぁ?というものでも絶対に伝わるし、
逆に『ぷっはー!!』系を連発されると
『バカにされてるのか?』と思うくらいだ。


最近、面白いCMをちょこちょこ観るようにはなったが、
まだまだ、バカ丸出し、意識の低さ丸出しのCMが大手を振って
闊歩している。




愛している。

そういうメッセージを聴きたいし、表現したい。

重いから敬遠するのではなく

重いからこそ

表現しないといけないんだ。

軽くせずに、怖がらせずに。



難しいけどね。